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私たちの活動

フィリピン新聞社Manila Bulletinでの通訳の様子

フィリピン現地の通訳事情と料金相場

私は、フィリピン現地通訳として4年活動し、商談や会議、採用、視察などでフィリピンを訪問される企業から政府関係者、個人のお客様まで、通訳に関するご相談を多く頂いて参りました。

現地でコミュニケーションを担う通訳は、大変重要な役割を果たします。そのような中、初めてフィリピンで通訳を利用される方が、通訳探しや予算組み、計画に多くの時間を費やしていることを知り、この記事を執筆しました。

フィリピンの通訳事情や背景を解説し、料金相場などを詳しく説明致します。
フィリピンに出張などれる方々に、この情報が役立てば幸いです。

通訳者の国籍・特徴・使い分け方

フィリピンの通訳者はまず大きく国籍で区分でき、対応言語に特徴があります。
(※後述する特徴は大まかな傾向であり、実際には個人差があります)

日本人通訳者

フィリピンに長年滞在し通訳として活動している日本人です。日本人でありながらフィリピン人の国民性価値観に対して理解あり、日本の社会人としてのマナーを備えている方が多いです。

同じ日本人として安心できることに加え、日本語のニュアンスを細かく汲み取れることが利点です。日本語での説明多いプレゼンテーション、教育、サービス紹介などにおいて、日本語学習者であるフィリピン人通訳と比べ、日本語を母国語としているため、より適切に細かいニュアンスを読み取通訳が可能となります。

デメリットとしては、対応言語が主に英語となり、タガログ語に対応できる方が少ないことが挙げられます。また、少ない人口に対して企業などから多くの依頼があるため、需要が高、フィリピン人通訳より料金が割高となります。

フィリピン長期滞在する日本人の多くは就労ビザ保持者です。同ビザは、日系企業を含む現地の企業に就職することで得られるので、英語が堪能な場合でもフリーランスとして活動している方はわずかです。フィリピンでフリーランスとして活動するには、配偶者を持つなどらかの手段で基本的に永住権を持つ人に限られることが前提です

そのため、フィリピンで有能な日本人通訳を確保するには、大きな障壁が存在しているのが現状です

フィリピン人通訳者

日本での留学や就労経験者が多く、文法や表現に違和感を感じることなく日本語会話ができます。特に日本語検定1・2級を取得している通訳は、新聞の論説や評論など論理的複雑な文章も理解でき、幅広いビジネスシーンにおいて通訳が可能です。

母国語であるタガログ語に加え、英語、日本語の3ヶ国語堪能で、需要に対し日本人通訳より人口(供給)が多いため、比較的安価で活用できることが利点です。

通訳可能なレベルである日本語検定

日本語能力試験の公式ウェブサイトによると、2019年、フィリピン人の日本語能力試験1級受験者は149名で合格率は約25%です毎年40名ほど通訳可能な日本語能力を備えたフィリピン人が輩出されています。しかし、合格者の多くは、日系企業の正社員として勤めたり、日本で就職するケースが多く、フリーランス通訳として活動する割合は極めて低いと考えられます。

通訳時の英語とタガログ語の使い分け

いずれの国籍も通訳として活動している以上、ビジネスシーンでのコミュニケーションは基本的に問題なく対応できます。しかし、現場でコミュニケーションをとる相手や状況に合わせて、言葉を使い分けるのは有効な手段です。

現場レベルのスタッフとのコミュニケーションと、意思決定を行う会議での言葉の使い分けなど例として挙げられます

現場スタッフに対しては、タガログ語またはタガログ語訛りの英語が有効

現場スタッフに対して英語で通訳する場合、タガログ語訛りに合わせて意図的にプツ切りにしたり、わかりやすい文法でゆっくりと話したりします。また、タガログ語を混ぜて会話することで心理的な距離が縮まり効果的なコミュニケーションが図れます。英語があまり得意でない彼らにとって、流暢な英語は緊張させてしまい、聞きたいことをうまく引き出せない場合があるためです。

このような場面で、最も効果的な言語はタガログ語です。カタコトでも良いので、日本人がタガログ語を少しでも話すと興味を持ってもらえ、話や作業がスムーズに進むことも多々あります。

また、一般的にアメリカ英語のような綺麗な発音で流暢に話す人は、フィリピンで「エリート階級」「ステータスのある人」と思われる傾向あります。コミュニケーションの目的によりますが、現場スタッフに対して、このような立ち位置で話をする心理的な距離を生む場合があります

欧米訛りの英語はステータス。ビジネスやブランディングに効果的

一方で、商談や重役が出席するようなビジネスシーンでは、欧米訛りの流暢な英語が効果的です。米国の植民地だった歴史もあり、特にアメリカ訛り流暢な英語はリスペクトされる傾向にあります

また、教養のある組織だという印象与え、信頼に繋がります。英語の発音ひとつで、ハロー効果(目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象)によって、その後のコミュニケーションや交渉を有利かつ円滑に進めらることが期待できます。

いずれも、「信頼」を得るためには相手に合ったコミュニケーションを意図的に図り、適切にアプローチる必要があります。

通訳レベル

フィリピン新聞社Manila Bulletinでの通訳の様子

逐次通訳(歴1年~)

発話をストップし、確認しながら行う通訳で、商談営業同行、採用面接、工場視察、インタビュー、社員教育、技術指導などビジネスシーン多く活用されます。

リアルタイムの通訳でない分、同時通訳に比べて進行が遅れますが、時おり内容を確認して通訳するため、より正確な情報を丁寧に伝えられます。また、相手に伝える内容慎重に選べること利点です。

通訳自身の経歴によってIT、ビジネス、不動産、政治など専門分野が異なります。いずれにせよ、ビジネスの現場においては、現場で問題を解決するシーンが多く、通訳にもその場の状況を即座に理解する論理的思考が求められます。

同時通訳・ウィスパリング(歴10年~)

国際会議やセミナーといった大規模なイベントにおいて、話者の話を聴きながらほぼリアルタイム通訳となります。非常に高度な言語能力に加え、話者の発言を咀嚼して即座に文章を組み立てる思考力と判断力、幅広い知識教養を備えています。

特に国際会議や大臣・議員に同行し、同時通訳やウィスパリングができる通訳は国籍を問わず極めて希少です。ハイレベルな通訳の多くは10年以上の経験ある方ばかりで、2020年2月現在弊所の知る限りではマニラに4名います。

また、通訳経験が長く、同時通訳にも対応できるハイレベルな通訳者は、一般的なビジネスレベルでの逐次通訳においても料金が高くなる傾向にあります。

事前資料を提供することで通訳の質が上がる

どれほど有能な通訳でも、事前資料の有無で当日のパフォーマンスが大きく左右されます。

日本語は主語を省くこと多い言語ですが、英語やタガログ語では主語を表現しなければなりません。文脈から主語を判断するため、リアルタイムで通訳するには特定の分野の知識や背景を事前に学習し準備する必要があります。通訳の仕事は現場での拘束時間に加え、当日に円滑な通訳ができるよう資料の準備や打ち合わせを行い、事前準備を万全に整えることに大変多くの時間を費やします。

日本とフィリピンの通訳相場を比較

社内会議や商談における逐次通訳の料金相場をご紹介します。

日本の通訳会社相場

半日 35,000~50,000円
全日 70,000~90,000円

上記は、日本国内での一般的な料金です。
(※別サイトのまとめより引用したものです)

日本の通訳会社がフィリピン現地で通訳を手配する場合、2通り考えられます。
1.  フィリピン在住の通訳を手配する
2.  日本在住の通訳を現地へ派遣する

日本国内の通訳会社にとって、フィリピン現地の情報や手配できる通訳の数が限られるため、割増料金が発生する会社が多いようです。また、国内から日本人通訳がフィリピンへ同行する場合、航空券、宿泊費、現地の交通費などの諸経費もかかります。

フィリピンの通訳会社相場

半日 23,000~40,000円
全日 34,000~70,000円

日本の通訳相場より安価な理由の1つとして、フィリピン現地の所得水準と物価が関係していることが挙げられます。フィリピン国家統計によると、平均収入が26,000ペソ(約53,000円)あることから、比較的安価な物価で生活できるため、上記の値段設定になっています。

 

フィリピン現地の通訳者を利用するメリット

1.フィリピン国内で豊富な実績がある

日本国内の通訳会社との大きな違いは、現地のネットワークの強さと商習慣への理解です。現地特有の通訳ノウハウや実績があることがメリットです。

2. 希少価値の割に安い

希少な存在である通訳に対する日本企業の需要を考慮すると、日本国内の相場よりもう少し高くても不思議ではありません。料金は案件の難易度、通訳の実績、経験年数、専門性、対応言語など複合的に考慮されます

3. フィリピン人通訳はさらに割安

また、特にフィリピンという土地柄、数少ない日本人通訳に対して需要が多いため、日本人通訳はフィリピン人通訳より値段が高くなる傾向にあります。一方で、フィリピン人通訳は比較的人数が多く割安となります。相対的に所得水準低いフィリピン人通訳の供給量が相場料金を引き下げているのでしょう。

 

国籍を問わず言語力と論理的思考を兼ね備えた人材は、フィリピンの一般企業からの需要も非常に高いため、通訳業界に残るのはごくわずかです。長期雇用ではなく、依頼者の都合やニーズに合わせて、有能な通訳を活用できる価値は非常に大きく、特にフィリピンという特有の地で希少性を考慮するとコストパフォーマンスに優れているのではないでしょうか。

フィリピンの通訳は危険?
~安全に通訳を活用するには~

は事務所を設立する以前、フィリピンでフリーランス通訳として活動し、通訳の手配を行っていました。その経験の中で、正当な商売ではなく詐欺を目的としてフィリピンを訪れる方が一定数いるという事実を知りました。

通訳を担当したお客様の取引先が、何らかのトラブルに巻き込まれ銃殺される事件や依頼者がフィリピン人通訳にお金を貸しその後、通訳が来なくなってしまったというトラブルなどもありました。

ういった事件は多くはないものの、フィリピンという土地で依頼者と通訳の両者に様々なリスクが存在することを認識させられた経験あり、安全な通訳を利用できるサービスを提供したいという思いから弊所PinoLaを立ち上げました。

PinoLaの方針

1.高額な料金を提示されても引き受けません。

詐欺を目的とする悪質な商売や反社会勢力に対しては、高額な料金を提示されても堅くお断り致します。

2. 依頼者・通訳に身分証明書のご提示をお願いしています。

お客様と通訳の安全を守るため、お客様には身分証明書のご提示をお願いしております。また、通訳には身分証明書、無犯罪証明書(NBIクリアランス)、機密保持の締結提示をお願いしています。

3. 支払いは必ず弊所を介します。

ご依頼の際は通訳者への直接支払いではなく、弊所で予約金をお預かりしております。

4. 時間を最大限に有効活用できる価値ある取引をご提供します。

お客様に本来の業務に集中して頂くために、案件に適した通訳者を即座にご紹介。現地滞在の時間を有効活用することで、ストレスを軽減できるようサポート致します。